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肺動脈性肺高血圧症(PAH)とは?

どんな種類があるの?

肺高血圧症は、下図のように5つに分けられており、それぞれ、原因も病気の内容も違っています。すべてのタイプについて解説すると非常に複雑になってしまうので、この冊子では、肺高血圧症の中心である肺動脈性肺高血圧症(肺動脈の異常によって起こる肺高血圧症)を解説しています。

肺動脈性肺高血圧症の分類

肺動脈性肺高血圧症は、特発性肺動脈性肺高血圧症、遺伝性肺動脈性肺高血圧症、薬物および毒物誘発性、他の疾患に関連するものの4つに分けられます。このうち特発性および遺伝性肺高血圧症は原因不明です。また他の病気や、薬によって肺高血圧症が起こることがあります。肺動脈性肺高血圧症の他には、肺や肺静脈の異常が原因で起こるものや、左心室の異常によるもの、血栓や塞栓によるもの、また複合的要因や全身性疾患によるものなどがあります。

肺高血圧症

肺動脈性肺高血圧症の新しい分類について

上記「肺動脈性肺高血圧症の分類」でご紹介した分類は、2013年に行われた、肺高血圧症に関する世界的な会議で検討されたものです。

●遺伝性肺動脈性肺高血圧症とは?

肺動脈性肺高血圧症患者さんの約6%~10%には、家族内にも患者が見つかります。肺動脈性肺高血圧症に関連する遺伝子もいくつか明らかになっており、例えばBMPR2という遺伝子の異常は、日本人の遺伝性肺動脈性肺高血圧症患者さんの多くと、特発性肺動脈性肺高血圧症患者さんの約26%に見つかっています1)。ただし、肺動脈性肺高血圧症の遺伝子を持っていても、発症する確率は10%~20%とされており2)、全員に発症するわけではありません。遺伝子に何らかの外からの要因(他の病気や、お薬など)が加わって発症すると考えられています。一部の研究施設では、血液を採取するだけで肺動脈性肺高血圧症に関連する遺伝子を持っているかどうかを検索できるようになりました。特に、ご家族に肺動脈性肺高血圧症の患者さんがいる場合には、検査を受けた方がよいでしょう。

1)Thomson JR, et al:J Med Genet 37;741-745, 2000
2)日本循環器学会ほか. 肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版) p.17,2012

●子どもの肺動脈性肺高血圧症

  • 肺動脈性肺高血圧症は、新生児でも発症することがあります。子どもの場合、治療を受けなければ大人よりも病気の悪化が速い傾向にありますが、治療を行えば、成人よりもむしろ治療効果が現れやすいともいわれています。その理由は明らかではありません。
  • 子どもの肺動脈性肺高血圧症
小児肺動脈性肺高血圧症の特徴:
子どもの方が早期に病気を診断されることが多い。
初期症状は成人とほとんど同じ。子どもは成人よりよく動き回るので、運動後のめまいや失神が多く見られる。
子どもの心臓の機能は比較的よいとされ、心不全症状で見つかることは多くない。
子どもの方が、発見時の心拍出量はより少なく、肺血圧、肺血管抵抗はより高いとされている。
子どもの肺動脈の方が肺血管が収縮しやすいが、一方、拡張させる薬にも反応しやすい傾向がある。

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