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肺動脈性肺高血圧症(PAH)とは?

どうやって診断するの?

肺動脈性肺高血圧症の診断は、下の表のような手順で行われます。

肺動脈性肺高血圧症の診断手順

1.診断

問診、視診、触診、聴診、打診などがあります。問診は患者さんの自覚症状を確認するために行います。視診・触診では、チアノーゼやむくみ、脈、手足などを観察し、聴診では心音と心雑音を調べます。日常における診察は、軽い心不全の症状を発見するためにも、とても大切なことです。
ここでほんの少しでも肺動脈性肺高血圧症が疑われる患者さんは、スクリーニング検査に進みます。また病気の早期発見のため、例えば家族に肺動脈性肺高血圧症にかかった人がいる場合や、遺伝子検査の結果肺動脈性肺高血圧症に関連する遺伝子を持っているとわかった人など、症状がなくても肺動脈性肺高血圧症にかかる可能性の高い人たちは、スクリーニング検査に進みます。

2.スクリーニング検査

スクリーニング検査とは、肺動脈性肺高血圧症の疑いの強い患者さんを見つけ出すための検査です。 以下が、代表的なスクリーニング検査です。

検査名
検査方法
何がわかるか
血液検査・尿検査血液検査・尿検査
血液や尿を採取して、含まれている成分などを測定する。
全身の臓器に異常がないかどうか、心不全の程度を調べる。遺伝子の検査も可能。
心電図心電図
ベッドに仰向けになり、胸部に電極を貼りつけて、心臓が収縮する時に発生する電流を測定し、グラフ化する。
右心房や右心室の拡大や負荷、不整脈の有無を調べる。
胸部X線(レントゲン)胸部X線(レントゲン)
胸部にX線を照射、フィルムに撮影する。
肺動脈の拡張を調べたり、心臓の拡大の程度を見たりする。肺や心臓の病気がないか調べる。
心エコー心エコー
ベッドに仰向けになり、胸部にプローブと呼ばれる超音波発信装置をあて、心臓の大きさ、かたち、壁の厚さ、動き、血液の流れを画像で観察する。
先天性心疾患、弁膜症、心筋症がないかどうか調べる。左右の心室の肥大、拡大、機能を正確に調べる。
動脈血ガス分析動脈血ガス分析
手や足の指先で、血液中の酸素濃度を測定する。
肺で十分なガス交換(「心臓と肺のはたらきは?」をご参照ください)が行われているか調べる。

3.精密検査

スクリーニング検査で、肺動脈性肺高血圧症の疑いが強いと判断された場合には、精密検査に進みます。主に、以下のような検査が行われます。肺動脈性肺高血圧症であるという診断は、心臓カテーテル検査によって下されます。

検査名
検査方法
何がわかるか
心臓カテーテル検査心臓カテーテル検査
局所麻酔をして、カテーテルという細い管を手や足の動静脈から(心臓まで)挿入し、心臓内の血液の流れや心機能を検査する。
肺動脈圧、心拍出量、肺血管抵抗などを測定し、肺動脈性肺高血圧症の確定診断をする。また病気の程度を調べる。同時に、薬に対する反応性も調べる。
胸部CT検査胸部CT検査
仰向けになり、体をさまざまな角度からX線撮影し、コンピューターで分析する。検査中は動かないようにする。
両心房、両心室、肺動静脈の拡張を調べ、機能を正確に調べる。
胸部MRI検査胸部MRI検査
仰向けになり、管状の装置内で磁石および電波を使って胸部の内側を画像化する。
両心房、心室、肺動静脈の拡張、心筋の状態、形態の変化などを調べ、機能を正確に調べる。
シンチグラフィシンチグラフィ
肺血流シンチグラフィ:
微量の放射性薬剤を静脈に注射し、その分布などの様子を専用のカメラで撮影し、観察する。
肺の血栓塞栓症などの血管や血流の異常をきたす疾患を鑑別する。
肺血流シンチグラフィ:
微量の放射性ガスを口から肺内に吸入させ、その分布などの様子を専用のカメラで撮影し、観察する。
肺の換気の異常をきたす疾患を鑑別する。

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